素敵なレディーへの道
昨日の空
今朝の空 ググッと冷え込んできた
いよいよ今年の授業も明日を残して終わろうとしている。
昨日は医療ビジネス科の最後の授業だった。
このクラス、ペーパーテストはせず、実技試験のみで
成績を出している。
接遇実習室
私からの目線、生徒は前のドアーから緊張して入ってくる
ドアーの出入り、お辞儀の仕方、椅子への座り方
お茶の出し方や物の渡し方、電話応対などなど。
これら一連の動作を一人ずつ入念にチェックする。
受け付けカウンター
立ち姿や座ったときの姿勢、その他の立ち居振る舞い。
今でこそまともな姿になっているが
入学してきた当初は全くひどいものだった。
まず、絶望的だったのが立ち姿。
両足を開いての仁王立ち。
座っているときも膝を付けたままの状態が維持できない生徒、続出だった。
スーツのタイトスカートをはいて膝頭が開いていると
どんな格好になるか全く人の目を気にしないのだ。
いつもパンツばかりをはいているので
両足がどうしても開いてしまう。
「私の授業中90分、常に膝頭を付けていると足が締まって細くなるよ~保障する!」
と言うとしばらくはできているが数分で元の木阿弥。
背中も丸く、全体的にだらしない印象を与える。
立ち姿の場合かかとを付けるだけでその印象はグッと良くなる。
これらの事を一年間何度も何度も注意して
やっと自覚し始めたところだろうか。
電話応対は少々言葉のミスはあったが皆大変上達していた。
次はお茶の出し方。
先週、別の学校で実際にお茶を入れて飲む「生活常識」という授業をした。
聞いたら家で全く日本茶を飲まないという生徒もいて驚いた。
「茶托」を示してこれは?と尋ねると「コースター」と言う。
就職先で「お客さんにちょっとお茶をお出しして」と命令されても
お茶の入れ方は勿論、その出し方がわからない生徒がいたそうだ。
卒業生を受け入れている企業から
その辺のことも教えておいてください、と学校に依頼があったと言うから
もう「何をか言わんや」である。
教科書できちんと説明はしているのだが・・・・。
今や京都大学の学生ですら「生活常識」の授業があるそうだ。
本来ならこれらのことは家で躾られなければならないと思うのだが。
それができないから、このような授業が必要となり
私のようなものでも仕事ができるとも言える。
なんとも複雑な気持ち。
最後に、一年間このマナーの授業を受けての印象を聞いた。
「知らないことばかりでした。電車の中でのお化粧や今まで本当に恥ずかしいことを
していたと気付きました」
気付けばしめたもの。
「これからは更に素敵なレディーを目指して行ってくださいね。」と
最後の授業を締めくくった。