母を訪ねて~4
前回母の見舞いに行ってから三ヵ月。
状態は確実に悪くなっている。
兄から今後についての相談の電話も回数が増え
「その時」が迫ってきているのを実感している。
お盆が過ぎて落ち着いたらお見舞いに行こう
と話していたがその猶予はなさそうだということで
東京在住の娘と新大阪駅で待ち合わせて
日曜日、母のところへ行ってきた。
二人の姪家族と合流して母の待つ施設へ。
三ヶ月ぶりに見る母の顔色は
想像以上に悪く、現実に直面。
それでも表情は柔らかく、時々笑顔を見せてくれた。
一緒に歌を歌い、ひ孫の姿を目で追って
「いいね~、かわいいね~」と言う。
30分ほどの滞在。
「疲れた?」と聞いたら小さくうなずいた。
その日の兄宅から見た鬼気迫る茜色は
私の目に焼きついて一生忘れることはないだろう。
翌日もう一度母に会いに。
椅子に座りうなだれた母は寝ているのか
胸が静かに上下してはいるが
微動だにしない。
時々表情が変化するのを見て
「きっと、私達の声は聞こえているよ。」
娘は「ありがとう」を繰り返していた。
母、娘、私~三代。
しっかり手を握った。
母を抱きしめ体のぬくもりを記憶してきた。