風の彼方~佐藤愛子
こんばんは。
博多から小倉に戻ってきました。
玄関を開けた時の部屋の臭いが気になり
空気の入れ替えと掃除をしていたら半日が潰れてしまいました。
途中で郵便局に書留を受け取りに行き
身分証明書の運転免許証を忘れて取りに戻り~
今やっとPCの前に座りました~とさ(笑)
私に珍しく読書感想などをと思ってみましたが
どう書き表していいのか・・・。
昔から読書は好きなのに感想文が苦手で苦手で!
カンタちゃんのような名文は書けないけれどそれなりに・・・(笑)
佐藤愛子の「風の彼方」(上下)
800ページ余りを一気に読み上げました。
面白かった~
文章も内容の展開もテンポ良く進み
淀むことなくずんずん引き込まれてしまいました。
謹厳実直な元小学校校長・大庭丈太郎が家を出たのは
妻の信子がシルバー革命を起こしたからだ。
小学校六年生の吉見を残して美保が大庭謙一と別れたのは
夫が愛人の千加と一緒になると言い出したからだ。
祖父母がいて、両親がいて一家団欒があった大庭家に
大きな風が吹き出した。
夫婦って何?家族って何?幸せって何?親子三代の家族の生き方を
渇いたユーモアで描く傑作長編
(裏表紙より)
(昨日の空・・・不気味な雲が垂れこめていました)
丈太郎が篤く語る日本の教育問題や逆行する価値観。
信子が長年求めてきた自由。
現役教師・康二を取り巻く現代の教育現場。
イジメに遭い、それに苦悩する吉見。
(病室から見える教育現場(中学校)のグラウンド)
小学生の吉見を軸に話が展開していくのですが
それぞれに人生哲学を語らせるところなど
私のような軸がぶれっぱなしゆるゆるな生き方をしてきた人間には
それぞれのどの言い分にも共感してしまいました。
テーマはどこを切り取ってもとても重いものですが
佐藤愛子のユーモア溢れる人物描写に救われます。
ラストシーンはほのぼのとしていて
暖かい気持ちで読み終えることができました。
お次に控えしは~
四作が収録された白石一文の「どれくらいの愛情」
博多小倉往復四時間のバスの旅。
読書にはもってこいの時間でした。
それも一週間で終わろうとしています。