ティコティコの空

ヤフーブログから引っ越してきました。日常を綴るだけのブログです。

陶芸のウンチクをほんの少し~♪



おはようございます。

昨日は「ヒッグス粒子発見!」の報に歓喜できるかと思っていましたが
データが足りずに来年まで待たなければならなくなりました。

来年!とは言っても・・・
残すところ17日。

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普段我々の生活の中でお茶碗や湯飲みを
自分の手で創り出すということはありません。

しかし、寒さ厳しい山裾の自然の中で
数種類の土を混ぜる
根気と力のいる作業で作った土の塊から
あれよあれよという間に
日常使いの食器から芸術品までを生み出す。

そして、それを生業にしている人がいる。

そんな神聖な場に
我々ど素人が上がり込んで
貴重な粘土を使わせていただいて
器の様なものを作るわけです、
真剣にならざるを得ません。

そうやって出来上がった我々の作品がこちら

青がヘソクリン、緑が私、赤がこの釜の主です。

まだこれから形成して乾燥させて
釉薬にくぐらせて釜で焼く工程が残っています。


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左のぐい呑みはプロが20秒程で造りだしました。

さて、これがどのような器になるのか
神のみぞ知る。



作陶というのは
自分が思い描いた思い通りにならない。

土、釉薬、釜の温度・・・
様々な条件が重なって微妙な色や
形に焼き上がる。

釜の蓋を開けるときはもの凄く緊張するそうです。

全部割れていたらどうしよう
思った色が出ていなかったら・・。

でもそんな中、稀にもの凄い芸術品が現れる。

昨日ご紹介したお茶碗もそのたぐいです。

イメージ 2

この茶碗を見たときに
染色家~久保田一竹の「辻が花」を連想しました。

この色合いや模様はまさに私がイメージする辻が花・・。



また、萩焼には滅多に生まれない「黒」が現れたりするそうです。

25年前に東京の京王百貨店で開催された
先代の作陶展。

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「黒萩」がパンフレットの表紙を飾っています。

上のパンフレットは京王百貨店ですが
銀座三越で作品展を開くことは
作者の大変な名誉と思われた時代
今もそうかもしれませんが・・・
先代は何度かそれを果たしたそうです。


主のいなくなった呂。

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上の名作二品はここで造られたのでしょう。




先日もう一つ物知りになりました。

茶碗の「正面」はどうして決まるのですか?と聞くと
陶芸家によって違うそうで
先代の「宇田川聖谷」さんの場合は
銘の右手が正面になるそうです。


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円の中に銘が刻印されています


また、裏千家表千家でも違いがあるとか。

茶道にしても高校の時にかじった程度の私には
手に取るのももったいないほどの
素晴らしいお茶碗でした。


来年もまたお邪魔しようと思っていますが
その時はもう粘土を無駄にしないように
こんなものを造って見ようかと思っています。

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息子さんが手びねりで造った
高さ5センチくらいのお坊さんが
お父様の遺影の前に飾ってありました。






追記

コアラママが私のウンチクを遥かに上回るウンチクを
調べてくれたのでここにご紹介しましょう。


萩焼は古くから「一楽・二萩・三唐津」と謳われ、使い込むほどに表情を変えるその深い味わいと素朴で上品な趣が茶人の間で広く愛好されてきました。
萩焼の胎土(原土)には浸透性があり、使用するにつれて表面釉薬の貫入(かんにゅう・釉表面の細かいヒビ)を通して茶がしみ込み、やがて年月とともに器体の内外ともにその色・つやが微妙に変化して何とも言えない風情を醸し出します。
その侘びた風情が珍重され、所謂「萩の七化け」と称されています。 



窯元に置かれていた急須

貫入が味わいを増しているでしょ?

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コアラママ、お父様の仰る通りよ♪
ありがとう