義母の桐箪笥
昔の人、とくに戦争中に若い頃を過ごした人の辛い経験や
ものの考え方、捉え方は我々現代人(と言ってもいいのかな?)には
なかなか理解しにくいものです。
百の言葉を尽くされてもなかなか実感が伴わない。
テレビで見る戦争映画やドキュメントでは
実体験とは程遠くそこには知覚・嗅覚・触覚・・・何も無し。
個人の想像の範疇。
でもこれは仕方ないですね。
あちこちで講演をしていた義母は話し上手でした。
そんな義母からよく戦前戦後の辛い話も聞いていました。
食べるものがない、着るものがない、住むところもないの無い無い尽くし。
そこから這い上がってきたあの時代の人たちは
それはそれは物を大切に使っていました。
いや!仕舞いこんでいました。
加えて、不測の事態に備えてのまとめ買い。
今回の実家の整理でよくわかりました。
食料棚から出てくるわ、出てくるわ。
醤油・味噌・みりん・梅干・梅酒・海苔に酒。
ありとあらゆるものが大量に備蓄されていました。
そのほとんどが賞味期限切れで
中には原型をとどめず正体不明のものまであって即ゴミ箱へ。
処分するのに大層な時間がかかりました。
逆に現代人は物が簡単に手に入りすぎて
いらないものまでつい買ってしまって大幅賞味期限切れ!
(私のことです)
断捨離という言葉を見ない日がないくらい巷に溢れているのも
世の中の大半の人が
義母や私のようにモノを手放せないのでしょうね。
13~4年前だったでしょうか。
私たちと義母の故郷の日田に行ったとき
偶然立ち寄った家具屋さんで見つけた桐のタンス。
その時は時間もなくてそのまま帰ってきたのですが
それからしばらくして、どうしても諦めきれないと・・。
数週間後もう一度お店に連れて行ってくれと言われ
義父母の四人で行きました。
年金暮らしの義母が大枚はたいて買った桐ダンス。
昨日、我が家にやってきました。
「もう私の人生も終わろうとしているけど、これだけは買わせて」と言っていた義母。
その割には、手に入れてしまってからのタンスの存在は薄そうでしたけど・・・
大丈夫です!私が存在感あふれるタンスにしてみせます!
と思ったものの~入っている服がユ○○ロばかり。
この桐タンス、行く場所を間違えてしまったようです。