ティコティコの空

ヤフーブログから引っ越してきました。日常を綴るだけのブログです。

スチュワーデス物語 Part8

昨日の空

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専門訓練に入ってからはその名の通り

専門的な分野の勉強が始まった。

このときの授業内容は様々あったが・・。

AIR CRAFT。

これはジャンボの愛称で呼ばれたB-747

空の貴婦人という名の通り優雅な姿のDC-8シリーズ

など飛行機全般の知識。



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DC8-61

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DC8-62

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機種によって、機内の設計が違うので

それぞれ物の格納位置なども違ってくる。


これらの名称は全て英語表記。

また地名などもスリーレターコードになっている。

東京ならTYO ホノルルならHNL 福岡はFUK。

全て暗記、暗記、暗記。

暗記の不得手な私はこれだけでいっぱいいっぱいだった。



飛行の仕組みについて。つまり飛行力学だが

こんなことそれまで考えたこともなかったので

知ってみると逆に、あんな巨大なジャンボが

飛ぶはずがない、と、かえって怖くなった。

むしろ知らない方が良かった。


しかし、一度お客さんに真面目な顔で

「スチュワーデスさん、どうして飛行機は飛ぶのですか?」

と聞かれた事がある。

どう答えたか記憶にないが

「さあ、私が生まれる前から飛んでいますので知りません。」

と答えたらどんな反応だっただろう。



他にはFIRST AID (救急処置・・耳鼻科、内科)

緊急事態発生時の対応、時差、アナウンス、料理の名前

ワインの種類、テーブルマナーなどなど多種済々。

どれひとつとっても初めて見聞きするものばかりだった。



アナウンスの講師は現役の男性アナウンサー。

この方は、映画「ゴジラ」で

「緊急放送です!ゴジラが東京に現れました!」

実際にアナウンサー役で登場した人だった。

退職後古いゴジラ映画をテレビで観ていたらこの人が出ていて

「あら、本当だったんだ~」と思った記憶がある。



接遇マナーには多くの時間が割かれた。

接遇の五原則

すなわち「挨拶言葉遣い態度身だしなみ表情」

これらを徹底して教え込まれた。

ありがたいことに今の私の基礎になっているし

現在の仕事もこの内容が元となっている。



言葉遣いは子供の頃から母に躾けられていたので

何とかついていけたが、そこに「鼻濁音」などと言う

今まで聞いたこともない発音が登場した。

ヤレヤレ・・・。




つづく・・・。