スチュワーデス物語 Part5 上京そして訓練開始
(昨日の空)
(月が昇り始め)
(リビングから見る月)
(今朝の空 )
合格してからの数ヶ月は夢の中にいるようだった。
自宅待機中、英語の教材が送られてきて
そしていよいいよ10月。
家族や友人達に見送られ
福岡空港(当時の板付空港)から
夢の実現に向けて東京へ飛び立った。
(母お手製の服を着て・・・お隣の坊やは私とは何のかかわりもありません)
入社式には当時の日本航空社長、朝田さんが来られた。
目の前にいるこの人があの有名な・・・と感慨ひとしお。
左前方の壇上から真っ直ぐ我々に向かってお話をされた。
その時の会場の映像は今でも鮮明におぼえている。
まずは千葉県土気の訓練センターに
約20倍の倍率を潜り抜け合格した訓練生が
大型バスで送り込まれた。
(後列左が私)
ここで(私の記憶に間違いがなければ)一週間の合宿が始まった。
朝のラジオ体操、そして、ランニング。
(これは嫌だったな~社会人になったらもうないと思っていたのに)
会社の企業理念、概要の説明、などなど。
今まで集団生活などしたこともなく
どちらかと言えば単独行動の好きな私は少々戸惑ったが
希望に満ち溢れていて、これからの自分の変化が楽しみで仕方なかった。
さて、私のような地方から出てきた人は優先的に寮に入られる。
私は大田区西嶺町にあったスチュワーデス訓練生用の西嶺寮に入った。
池上線の御嶽山駅から徒歩10分。
鉄筋コンクリート3階建。二人部屋。部屋代月額7500円。
数年前、ここを夫と訪ねてみたら、既に売却され
跡地にはマンションが建っていて
私の青春も一緒に消えてしまったかのような寂しさを覚えた。
この寮は当時大流行したテレビドラマ「アテンション・プリーズ」の
ロケでも使われていた。
私も、このドラマを毎週楽しみに観ていたので
あの寮に入られると思うとワクワクし入寮が待ち遠しかった。
しかし、実際入ってみたら
ドラマでは随分広い部屋として描かれていたようで
思い描いていたほど豪華なものではなかった。
私より数ヶ月前に入社していた相部屋の先輩、Hさんはとても親切で
公私共に色々と面倒を見てくれた。
そしてここから、半年間の地獄の訓練が始まった。
来週につづく・・・。